シクロクロスC1昇格への道のり ⑤メンタル

『勝てたらいいなという程度の気持ちだから2位になる。』
『ウイニングポーズは勝とうとして、準備している選手にしか出来ない。』

どちらも写真を撮ってくださる、高木さん(BOSS.Y.Takagi)から言われた言葉だ。

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チームロゴを指さしてゴール(これをやることは決めていた) photo by BOSS.Y.Takagi

精神的なものが大きく作用し、結果が変化する。その様が本人だけでなく、見ている人にも影響を与える。科学的なアプローチが進んでも、こういった個人の内面が感じ取れる人間臭いところにスポーツの面白さがあると思っている。


「メンタルをどのようにしていい状態に持っていくか」
そもそも「いい状態」とはどんなものなのか?答えはまだ出ていない。過去のレポートを読み返し、良かった&悪かったレースを振り返って考えてみる。


〇悪かったレース
・周りが見えていない
・前走者ではなく後ろの選手を気にしている

〇良かったレース
・周りが見えている
 →周りで走っている選手や応援してくださる方、カメラマンを覚えている
・どうやって走るかイメージが出来ている
 →スタート前にはそれを一度忘れるといい
・どうやって上がろうかと頭を使っている
・勝負を楽しんで走っている


そりゃそうだという結果。

悪かったレースで思い出すのは、2017-18シーズンの東海第4戦WNP。結果は2位と悪くなかったが、周りが見えておらず、後半に歯車がかみ合わないちぐはぐな走りをしていた。「ここで勝たなきゃ」という義務感のようなものと「また昇格できないのか」という後ろ向きな考えが、ぐるぐる回っていた。また、「勝たなきゃ」という感情から、砂を無理に乗っていこうとして、結果ミスすることも多くあった。

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焦り周りが見えず砂に埋もれる photo by Kikuzo

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一方良かったレースはC1に昇格した、同2017-18シーズンの東海第5戦大野極楽寺公園。よく周りが見えていて、近くを走る選手はもちろん、どこで誰が応援してくれていたかをはっきりと覚えていた。この日は「今日は自分が勝つ」という確固たる信念を持ってはいたが、そこにプレッシャーはあまりなく、「こんな風に展開できたら楽しいだろうな」という前向きなイメージがあった。

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カメラを見る余裕がある落ち着き 

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僕のいい状態とは、以下が出来ている状態を言うようだ。
・前向きであること
・落ち着いて周りを見ていること
・勝つイメージを持っていること
・楽しもうとしていること



個人的な心情として、応援にはその場で応えたいというのがある。文字通りその場で「はい!」と応えることが多い。自分自身、応援している選手がその場でリアクションをしてくれたら嬉しい。レースを走る側としても「反応してくれた」という声が聴けるのは嬉しい。
今シーズンの茨城第2戦小貝川にて、応援に元気よく「はい!!!」と応えたら、後ろを走る選手から「いいね~」と言われたことがあった。これがたまらなく楽しかった。選手との距離が近いシクロクロスならではの状況だとは思うが、メンタルをいい方向にもっていくために、観戦者の皆さんから力をもらうことを忘れてはいけない。返事が出来ていないときの自分は大抵状態が悪い。この悪い状態の自分に気づくことが出来れば、レース中でも修正する余地はある。そうなると、自分の「いい状態」「悪い状態」を知っておくことは重要なのではないだろうか。

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さて、このシリーズを書き始めて半年が経ち、ようやく終わりを迎えた。C1に昇格してからはちょうど1年。今週末はその昇格を決めた大野極楽寺公園だ。当時の文面
lozo.hatenablog.com
を読見返すと、自然と気持ちが高揚してきた。そして、コツコツと上り詰めゼッケン8番、C1で初の1列目スタートとなる。さあ今年はどうなるか⁉楽しみでならない!